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想像地図の投影図法について

想像地図で用いている図法は、「修正型正弦曲線図法」という図法です。筆者が想像地図を描くために独自に開発した地図投影法です。
そもそも地球は「真球」ではありません。赤道直径の方が極直径よりも大きい「扁球」です。
これは、想像地図の世界がある架空惑星についても同じことが当てはまります。

「正弦曲線図法」(サンソン図法)は、惑星を真球とみなして地図を描く方法です。
「修正型正弦曲線図法」は、正弦曲線図法の根本原理を生かしつつ、惑星を真球ではなく扁球として地図を描く方法です。

修正型正弦曲線図法および通常の正弦曲線図法の描き方の原理は、以下の通りです。

(注)想像地図の世界は地球上ではなく架空惑星上なので、「地球儀」ではなく「惑星儀」という表現になっていますが意味は同じです。

第1段階・惑星儀からの写し取り

今は北半球の地図を作る場合を考える。
赤の糸を赤道に沿って巻き付ける。
青の糸を様々な緯線に沿って巻き付けていく。
そして、基準にしたい中心経線にも糸を巻き付けて、赤の糸および青の糸を、緑の糸と交点で結びつける。

この糸の上に、惑星儀上の地形を写し取る。

第2段階・地図の作成

上図の中心経線の向こう側の部分のみを切り開き、紙上に広げる。

そして、この糸に写し取られている地形を、紙に写し取る。

惑星儀を真球で作れば、地図は「正弦曲線図法(サンソン図法)」になりますが、
回転楕円体で作れば、地図は「修正型正弦曲線図法」となります。
後者では、惑星の赤道直径と極直径が異なることを考慮した正確な地図となるため、世界地図だけでなく都市地図や道路地図にも使うことができます。

修正型正弦曲線図法では、全域で面積と東西の長さが、そして中心経線上での南北の長さが常に正しく表されます。
ただし、中心経線から離れた地域や、北極や南極に近い地域では形が大きく歪みます。
これらの性質は正弦曲線図法と共通した性質ですが、都市地図や道路地図に使うために、惑星の赤道直径と極直径が異なることを考慮している点のみが正弦曲線図法との相違点です。

地図番号と緯度の関係

地図につけている「N180 E170」のような数字は経度と緯度ではなく、地図の(枠の)番号です。北へ進むとNの番号が上がり、東へ進むとEの番号が上がります。
ちなみに、Nの数字に0.025を掛けてから36を足した値が緯度に対応します。
例えば、N180なら 180×0.025+36=北緯40.5°です。

NやEの値がマイナスになる部分は「N-100 E-150」と表す代わりに「S100 W150」と表すことにしています。
そのため、Sの数字にマイナスをつけてから0.025を掛けてから36を足した値が緯度に対応します。
例えば、S100なら -100×0.025+36=北緯33.5°です。

ただし、正確に言えばこの計算法で算出される緯度は「修正緯度」と呼ばれるものです。
これは普段馴染みのある「緯度」(地理緯度)とは異なります。これらの違いについては下図を参照してください。
(特に断らない限り、当サイトに掲載している地図中で言及される「緯度」は、全て修正緯度です)

地理緯度と修正緯度の違い

地理緯度は、左図のように、惑星のある地点に引いた法線と赤道面がなす角のことです。

例えば法線と赤道面のなす角が60°であれば、その地点の地理緯度は北緯60度です。

一般の地図では「緯度」とは地理緯度のことです。
しかし、想像地図では、「緯度」と言えば下記に示す修正緯度のことです。
修正緯度は、赤道から北極までの子午線の弧長を、
n/90 : (90-n)/90
に内分する地点の緯度のことです。

例えば、60/90 : 30/90 、つまり 2:1 に内分する点が、修正緯度での北緯60度です。
分かりやすく言えば、赤道から北極までの子午線の弧長を90等分し、赤道側から数えて(赤道は0番目として)60番目の等分点が北緯60度となります。

想像地図では、「緯度」と言えば修正緯度(求長緯度)のことです。

図を見比べても分かるように、地理緯度と修正緯度(求長緯度)の値にはズレが生じます。このずれ(差分)の大きさを理論的に計算するのは難しいので、CADソフトなどで惑星の形を正確に描き、長さの測定機能を用いてこのずれを計測することで求めます。
また、修正緯度は等間隔ですが、地理緯度は等間隔でないため、全ての緯線に対してずれが一定なのではなく、緯線によってずれの大きさが変わり、45度線でのずれが最大となります。泉星についてこの計測を行ったのが「修正緯度の対応表(PDF)」です。

なお、修正型正弦曲線図法の数学的定義および投影式は「修正型正弦曲線図法の総論(PDF)」をご覧ください。

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